01千代田区の住宅扶助は「53,700円」と「69,800円」のどちらなのか

千代田区の住宅扶助を調べると、「単身53,700円」のほかに「69,800円」という数字を見かけることがあります。
整理するとこうなります。

  • 53,700円 — 厚生労働省の基準による東京23区共通の一般基準(単身・床面積15㎡超の場合)の額です
  • 69,800円 — 特別基準の水準。車椅子を使用する障がいのある方がいる場合や、地域に基準額の範囲内で借りられる物件がない場合などに、福祉事務所の判断で適用されることがあります

近隣の港区・中央区では、当社が福祉事務所へ電話で確認した際に、実務上69,800円の水準で案内されました。
ただし千代田区について、当社では同様の確認ができていません。
千代田区も家賃相場が一般基準を大きく上回るエリアのため、部屋を探し始める前に「自分の場合はいくらまで認められるか」を必ず福祉事務所に確認してください。

02公式の上限額(世帯人数別・床面積別)

制度上の一般基準は、東京23区共通で次のとおりです。

世帯人数 上限額(月額)
単身 53,700円
2人世帯 64,000円
3〜5人世帯 69,800円
6人世帯 75,000円
7人以上 83,800円

(出典:厚生労働省の住宅扶助基準・東京都福祉局資料。
2026-08-30時点)

なお、表の「3〜5人世帯 69,800円」は世帯人数による一般基準の額で、前の章で触れた「単身の特別基準 69,800円」とは適用条件が異なります。
金額が同じでも別の仕組みです。

単身世帯には部屋の床面積による減額の仕組みがあります。

床面積 上限額(単身・月額)
15㎡超 53,700円
10㎡超〜15㎡以下 48,000円
6㎡超〜10㎡以下 43,000円
6㎡以下 38,000円

(出典:東京都福祉局「都内で生活保護を受給中の皆様及び関係機関の皆様へ」)

あわせて2点、前提を押さえてください。

  • 住宅扶助の対象となる家賃額は、適用される上限の範囲内の実費です。
  • 共益費・管理費は住宅扶助の対象外です。生活費(生活扶助)からの支払いになるため、物件情報の表示額の内訳を契約前に確認してください。

03初期費用(敷金など)と更新料はどこまで出るか

やむを得ない転居と福祉事務所が認めた場合は、初期費用も支給の対象になります。
東京都の資料で示されている基準は次のとおりです。

項目 基準 単身の場合の額
敷金等(入居時の初期費用) 特別基準額×4 279,200円以内
更新料 特別基準額×1.5 104,700円以内

(単身の特別基準額69,800円で計算した東京都資料上の計算例です。
実際に認められるか・いくらまで認められるかは福祉事務所の判断になります)

敷金等が認められるのは、立ち退きを求められた・家賃が上限を超えていて転居指導を受けた、といった「やむを得ない事情」がある場合です。
物件を探し始める前に、担当のケースワーカーへ転居の相談をしてください。
更新料も、更新の通知が届いたら早めに担当へ伝えて申請します。

04家賃の滞納が心配なら「代理納付」という仕組みがあります

代理納付は、住宅扶助にあたる家賃を、福祉事務所が本人に代わって大家・管理会社へ直接支払う方法です(生活保護法第37条の2)。
滞納が起きにくいため、貸す側にとっての安心材料になります。

サポルムが仲介する場合は、大家・管理会社への代理納付の制度説明や書類の連携をお手伝いします。
代理納付の可否や開始日は福祉事務所へ確認してください。
入居の可否は、大家・管理会社や保証会社の審査によります。

05千代田区で候補が足りないとき(隣接エリアへの広げ方)

千代田区は都内でも特に家賃相場が高く、一般基準(53,700円)内の物件はかなり限られます。
現実的な進め方は次の2つです。

  • 特別基準の適用可否を先に福祉事務所に確認する — 認められるかどうかで探し方が変わります。なお、当社では千代田区の福祉事務所への電話確認は行えていないため、実務上の扱いは必ずご自身の担当窓口でご確認ください
  • 隣接区へ広げる — 新宿区・文京区・台東区・中央区・港区はいずれも同じ上限53,700円です。同じ上限なら、家賃相場が相対的に落ち着く区のほうが候補は増えます

(各区の上限額は厚生労働省告示に基づく額・2026-08-30時点)

06千代田区の相談・申請窓口

千代田区の生活保護の相談窓口は、区役所3階の生活支援課相談・保護係(九段南1-2-1・電話03-5211-4216)です。
生活困窮者自立支援法に基づく生活全般の相談も同じ課が受けており、「生活保護までは考えていないが困っている」段階の相談から利用できます。

(出典:千代田区公式サイト等。
連絡先は変わることがあるため、最新の情報は区のサイトでご確認ください)

役割の目安として、保護費・転居の認定・特別基準・代理納付など制度の判断は福祉事務所、物件探し・内見・大家や管理会社との調整は不動産会社、と分かれています。

07千代田区で部屋を探すときの順番

受給中の方が千代田区内・千代田区へ転居する場合、次の順番で動くとつまずきにくくなります。

  1. 担当のケースワーカーに転居の相談をする — 敷金等(初期費用)が認められるかは、ここで決まります
  2. 千代田区で探す場合は、適用される上限額(特別基準の扱い)をこの段階で確認する — 探せる家賃帯が変わります
  3. 探す範囲を決める — 隣接区も同じ53,700円のため、通勤・通院の事情に合わせて広げられます
  4. 家賃と共益費の内訳・床面積を確認しながら物件を探す
  5. 申し込み・契約 — サポルムが仲介する場合は、大家・管理会社への住宅扶助や代理納付の説明をお手伝いします。必要な連絡や書類は、福祉事務所と確認しながら進めます

なお、住まいが変わったときは福祉事務所への届出が必要です(生活保護法第61条)。
手続きの詳細は担当のケースワーカーが案内してくれます。

千代田区、および近隣エリアでの住まい探しについては、当社でもご相談を受けています。